2023年夏お盆に、奥穂高岳に上高地からピストン登山した記録です。
初日と2日目山頂までの登りはこちら↓
この記事は山頂から下山のレポになります。
目次
奥穂高岳山頂→ザイテングラート→涸沢ヒュッテ
無事登頂し、奥穂高岳からの北アルプスの山々。目が眩むような景観でした。
近くにも遠くにも見えて山酔いしそうなパノラマでした。
そして下山へ。ピストンコースなのでこれまで登ってきた難所を降りていかねばなりません。
気を引き締めて下山開始。
最初はゆるめの下りですがザレているため滑りやすく、難所でもなんでもないのに早速 足が滑ってグネりそうに。汗
疲れて体幹を保ててない感じがしたので、ゆっくり一歩ずつ確実にを意識して。
しばらくするとあっという間に、鎖と梯子の難所へ。
ここをクリアすればひとまず山頂直下は乗り越えた感なので早く超えたい…のですが、前で詰まっている模様。
↓オレンジヘルメットの女性がずっと待っている…
次に待つ男性が女性と会話、登りが団子で来ているとの事。
下山組は10人くらい溜まっていき順番待ち待機。
登り組も難所でみなさんゆっくりなので、時間がかかります。10分まち、20分まち…
先頭のトレラン風の男性が、痺れを切らし
「10人くらいずつで切ってよー!」と下に叫ぶ。
登り組とやりとりし、あと5人いったら10人ずつ交代でと言われる。
まさかこんな恐怖の梯子に30分近く並ぶとは思わなかった😂
やっと下山組のターン。登りで怖かった足場のない岩を掴むところはやっぱり下りも怖い。
それ以外は、傾斜が急だけどゆっくり確実にいけば大丈夫。
滑らせないように慎重に足を置きながら、穂高山荘まで下山!
緊張で喉が渇きよく水を飲んだので、穂高山荘の天命水をボトルにチャージ。1リットル200円でした。
水分補給、持参のパンと補給チャージ、お手洗いもこのタイミングで。
ここまで山頂と梯子で合計1時間近く渋滞で待ったため、時間が推していました。
が、涸沢までは焦らず確実にを第一に休憩などもしっかり取りました。
ここから下山の第二関門、ザイテンです。
また渋滞だったら嫌だな…と思いつつ出発。
下山の最初は難所はないのですが、個人的には下りだと
- ○印をしっかり見て進まないとルートを見失いやすい
- 微妙なルートを行ってしまい転倒すると傾斜が急なので止まらず、滑落しうる
この点が怖いと思いました。
そしてやっぱり疲れていたのか踏ん張りが効かず、最初は左足、その後すぐに右足をグネる。
右足の時は足場がザレてて滑りが止まらず右膝まで下についてしまい、この時に強めに捻挫。
やらかした感あったけど、その時はまだ痛みはあまりなかったので、とにかく早くここを抜けたいのですぐ進む。
難所の鎖場へ。この時女性二人パーティと近い距離にいました。
順番を譲られてしまい、進むも…これ、どこに手と足を置けばいいんだ😂下は数百メートル真下の断崖がよく見える😂
そんなに経験無いけど、これまでの登山で最大に怖かった!
しばし悩み、ゆっくりどうにか乗り越える。
後ろ女性、
ここ、怖いところじゃないー!?うわ、下りの方が全然怖い!!
ウンウンと心の中で頷きつつも、その先もまあまあ危ないエリアなので必死。
イメージは岩にかじりつきながら下りるみたいな感じでしたw
そしてなんとか、、無事下りてきたー!!
この岩稜帯を下りてきたんだなー。
この時初めて、昨日からずーっと緊張していた糸が、やっと少しだけ解けました。(下山はまだまだありますが)
さきほど鎖場で同じタイミングだった女性パーティもちょうど下りてきて、
あそこ、怖かったですよねえ〜!
と声をかけられ、休憩しながら少しお喋り。
そして癒しのお花🌼
ここからは広い岩稜帯を下りて行きます。
そういえばザイテングラートではあまり混雑ありませんでした。(むしろソロタイムが結構あって不安だったくらい)
ザイテン取付→涸沢はポツポツ登りがいましたが、あまり下山の人はおらず、途中で前後誰もいない事も増えました。
そんな感じで涸沢まで、あともう少しかなーという樹林帯の岩場を一人きり歩いていた所、突然。
登山道ど真ん中に、猿が!まったりくつろいでる😂
登りの時も遠目にいるのを見たのですが、急に数メートル先に、しかもかなり大きい猿!怖くて写真撮ってません!
一人分くらいしか乗れない登山道岩に乗っかっているので、素通りもできず。
ちっとも逃げる気配が無いので、熊鈴を大きめにならすと、
「はー、仕方ねえな…」
みたいな感じでゆっくりもっさりと、森の中に入って行きました…
こういう時、ソロ登山は恐怖が増しますね!
まぁ、このあともっと恐怖体験が待ってたんですけどね…
そして見えてきた涸沢カール!あ〜良かった、ここまで帰ってこれた!
涸沢小屋でランチにしようか悩んだけど、やっぱり昨日食事できなかったヒュッテのテラスにしよう。
そう思ってヒュッテに向かいテント場をあるいていると、荷揚げヘリが!
ヘリのホバリング凄いー
このあとテラスにいる間も何度か来ました。凄い爆音でしたねー
ちなみにテント場には北アルプスの山岳救助隊基地があります。
今日の道中も何度か救助隊の方とすれ違いました。安心感とてもありました。
涸沢ヒュッテでランチ→横尾登山口→上高地へ下山
ヒュッテに不要な荷物を置いていたので(宿泊者はチェックアウト日も荷物をデポして受付のベンチ下に置いておけます)
荷物を回収し、ここでランチタイム。
昨日は夕方で売り切れになってしまっていた手作りおでんと醤油ラーメン!
2つも欲張ってしまったなーと思ったけど余裕でした。
ただ、天気がよく日差しが出てきて暑かったです!
ここからは難所はありませんが、まだ上高地までは16kmあり、時間が押しているので少しペースをあげなくてはならずなのでガッツリ食べました。
そしてここで少し不安だったのが、さきほど激し目にグネった右足首です。
ここからの下山で確実に痛くなることは想定されました。
今回湿布を忘れてきてしまっており、激しく後悔。ヒュッテにダメ元で売っていないか聞いてみる。と、
1枚300円で販売していますよ〜
なんとー!
早速購入し、貼ります。大判で広範囲ケアできて良き!
お見苦しいですがこんな感じで。このおかげで下山まで足が持ったと思います。本当に山小屋って有難い、感謝。
荷物をまとめ、涸沢ヒュッテを出発です。
荷物が重い…さっきまでの1.5倍くらいになって一気にずっしり感。やっぱり軽いって正義だなと今回はつくづく痛感。
横尾まで一気に下山目指します。
ヒュッテ手前は結構急な岩場で、ちょうど今日涸沢滞在らしき方が続々と登ってきている時間帯だったのですが、すれ違い挨拶する方みんな、
ゾンビのようになってる。笑
一方こちらは下り&ランチ後なのでやたら元気。
登りのおじさんに、小屋から300mくらいのところで
「ここからって、あともう少しだよね?」
と聞かれ、すぐそこですよ〜!と答えたけど、マラソンでいうところの「あと1キロでもうすぐって言われたけど全然すぐじゃない」みたいな感じだったかもしれないとあとから少し反省w
そして、山頂から涸沢までの下山と比較してとにかく下りやすいのなんの!
同じような岩場でも、傾斜が違うからなんでしょうか。
ここからは全然滑らなかったし、何なら楽しいとすら感じる!サクサクと下りていけました。
登りでスルーだった沢。今日も登山者の休憩で賑わっていました。
手でちょびっとだけ触って涼を取り、先に進みます。
ここまでくると、高低差もあまりなくなり、徐々になだらかな森林帯という感じに。
横尾登山口まであと2km、1km…と徐々に近づき、残り500mくらい。
ここまできたらもう大丈夫でしょう。あぁ〜無事おりてこれたー!
緊張が解けて、手前のパーティを抜いて数分の間、ボーッと1人で歩いていた時の事でした。
左右は背丈ほどの笹藪に囲まれたフラットな登山道。
無心でスタスタ歩いていると、真横の笹がガサガサと揺れる。
…ん?数メートル通過してから、今日はずっと無風、何かおかしいと思い振り返る。
見渡す限り揺れてる藪も木も全く無い中、明らかに2m✖️2mくらいのエリアの笹だけが、ガサ、ガザっと揺れてる。絶対に人くらいの大きさの何かがいる。
後から考えると良くなかったと思うのですが、その時は咄嗟で熊鈴を手で数回鳴らしました。
ガサガサの動きがとまる。いやいやいや…こんな事ある??若干混乱しつつ、音を立てないように数十メートルバック。
藪から出てくる気配が無いので、そこから振り返りつつの静音かつスピードMAXで立ち去りました。。
そのまま混乱をきたしたまま、残り数百メートル、横尾登山口まで帰ってきました…無事たどり着けて本当に良かった、色んな意味で😂
下山の記念写真はちゃんと撮る↓
後ろのパーティの人たち大丈夫かしら…と思いつつ、複数名で会話してたので大丈夫と思う事に。
登山は最後の最後まで気を抜いちゃダメ!
横尾登山口→徳澤園のソフトクリーム→上高地
ここからは整備された道になりますが、10キロとまあまあの距離をバスの時間に向けて頑張って歩きます。
人も増えますが、とは言え広いので森林の中一人タイムも再び…
これまで以上にガンッガンに熊鈴は鳴らして歩きました!!
実際に帰宅後に詳しく調べてみると、上高地は本当に熊が多いようです。
登山の前日でも、上高地すぐの小梨平でさえ熊目撃があったと立て看板されていたくらいですから、本当に人が多かろうがどこだろうが対策が必要なんだと改めて感じました。熊鈴は鳴らしていましたが、少し勉強不足だったなと思います。
そして横尾と上高地の途中にある徳澤園に到着!
ここには、今回北アルプス登山について色々と相談に乗ってもらっていたケロさんに
徳澤園のソフトクリームは絶対に食べた方が良い!
と教えてもらっていたので、時間がなくても絶対食べると決めていました!
普通のソフトクリームもありますが、コーヒーソフトをチョイス。上にシナモンパウダーがかかってます。
お、おいしいぃ〜〜下山のソフトクリーム最高!今回の山行イチの甘味でした、染み渡りました〜!
あとは上高地までまっしぐら!あと1時間くらいかな!?
ひたすら進むと途中の橋?に何やらまた動物がいる…
猿居すぎ!😂
まあこのくらいの距離ならまだ、いいかな…赤ちゃんはふわふわで可愛かったです。
そしてやーっと、17時ちょうどくらい。上高地に帰ってきましたー!
YAMAPは奥穂山頂から横尾までデータ飛んでました。
バスは17時半。着替えは時間的に難しいので汗を拭いたり荷物を少し整えて列へ。
色んなバスに乗る人たちの列ですんごい事になってました。
さわんど駐車場に戻る列は大袈裟ではなく1kmくらい列になってましたよ。
バスにも乗れて、これで本当に無事登山を終えられました。
振り返り・反省点
今回初めて上高地からの登山、そして初の穂高連峰登山でした。
感じた事、振り返りはこんな感じです。
- 上高地までがまず遠い。初日・涸沢までのスケジュールが厳しかった。もう少し余裕を持たせたいが、初日横尾泊にすると翌日がハードだし2泊3日はなかなか難しいので次回があったらどうするか悩ましい。
- 上高地から横尾までがフラットな林道でそこまで負担にならないと思ったが、重いザックを背負って片道10kmは結構負荷が大きかった。
- このエリアは普通に熊がいる。熊の居住地のど真ん中を歩いている。熊鈴はもちろんのこと、熊スプレーも持っておくべき。
- 猿も普通にたくさんいる。
- 涸沢ヒュッテに荷物デポできると知らなかったので、今後はアタックザックを用意する。難所は荷物が軽いほど良い。
- 夜の真っ黒な穂高連峰シルエットと星空は少し怖さすら感じる美しさだった。
- ザイテングラートと奥穂山頂直下は梯子、鎖の有名難所も怖いが、普通に足を滑らせる・つまづく→急斜面なので止まらない→滑落 のパターンが一番現実的に起こり得て怖いと感じた。体幹抜けるとグネるので注意。
- 徳澤園のソフトクリームは最高に美味しい
持ち物や山小屋に関する学びはまた別途に自分備忘録としてまとめます。
以上登山2年めのソロ穂高登山レポでした。唯一無二の体験ができた、ドキドキの登山でした。無事に帰ってこれたことがとにかく一番です。
奥穂高岳や涸沢、北アルプス・山小屋に興味ある方に、少しでもどんな雰囲気か伝わったら幸いです。読んで頂きありがとうございました。