2022年8月お盆シーズンに北アルプス燕岳にソロ登山したレポの後編です。
出発〜初日夕方までの様子はこちらをどうぞ。
目次
「燕山荘」で初めての山小屋泊
今回はお昼すぎから天候の悪化もありそのまま山小屋滞在することになりました。
宿泊した燕山荘(えんざんそう)について紹介します。
↓山頂直下の稜線上にあります
山雑誌で山小屋特集されていたりすると、ほぼ必ず登場する屈指の人気山小屋。
私はあまり山小屋に泊まってみたい!という欲求は無かったのですが、せっかくの機会だったのと、数日前にみたらキャンセルが出ていたので、今回山小屋デビューしてみることにしました。
宿泊予約や空き状況はWebから確認できます。結構直前でキャンセルなど動きがあるのでこまめにチェックしてみてください。
Webサイトもかなり充実していて、
初めて燕岳を登る人向けの情報や、山小屋についての疑問などの情報
も掲載されています。私もいく前にかなり熟読しました。
到着したら入り口受付でチェックインをして宿泊費を払います。
食事のありなし、翌日にお弁当も頼めます。現金のみですのでお忘れなく。
チェックイン12時〜とありましたが、この日は10時半ごろでしたが部屋へ案内してもらえました。
↓こんな感じ。食事とお弁当のチケットをもらいます
到着順にお部屋に案内と、食事の時間を指定されます。
この日はかなり人数が多い日だったので、夕食は
- 16時半〜
- 17時10分〜
- 17時50分〜
の3回。
私は16時半〜指定でした。
山小屋というと小さな平家をイメージしますが、燕山荘は最大で200人とか収容できるらしく、かなり広いです。
私の部屋まではこんな感じの階段を2回も登ってお部屋まで行きます。
お部屋といっても個室以外は相部屋なのですが、こんなふうに二段ベッドが並んでいて、
私は上段の部屋で、隣とはカーテンのようなシェードで仕切れるようになっていました。
到着後にシェードを下ろしたので、隣の人と顔を合わせることはありませんでした。(たぶん女性の横は女性になるよう配慮されているのかなと思います)
布団はありますが、コロナ対策でインナーシーツを持参します。私はモンベルのインナーシーツを買って持参しました。
とても広くて綺麗な食堂です。一度に100人くらいは食事ができるのでは?
↓夕食時の様子。コロナ禍で黙食のため、オーナーさんが燕岳や雷鳥のお話などしてくださってすごく面白かった!
食事は夕食も朝食もがっつり和食。炭水化物とタンパク質バッチリです。
翌日は追加料金でお弁当もお願いでき、翌朝食堂横で受け取ります。私は下山後帰りの特急あずさで食べました。
窓側はカフェ的なサンルーム。
晴れていれば絶景を見ながらお茶や美味しいケーキを楽しめます。
↓私ももちろん山の上でのスイーツを頂きました♡モンブラン甘過ぎずで普通にめっちゃおいしいケーキでした。
トイレは2箇所にあり、十分な数があったと思います。
そして水洗トイレだし、ものすごく綺麗!
下手な旅館などより綺麗に手入れされていました。
トイレ横に洗面台がありますが、この時はコロナで歯磨き禁止。
石鹸も使えないので、本当に手を洗うだけでした。状況により変わると思うので公式でご確認ください。
燕山荘はTシャツをはじめとしたグッズがめっちゃ充実してるのです。
売店をみてるとどれも可愛い〜欲しくなってしまいます♪
今回私は、100周年記念バンダナや、雷鳥Tシャツをゲット♡
ここでグッズを買うためにも現金は多めに持ってきた方が良いですよ〜笑
今回、初山小屋で色々と不安があったのですが、だいたいは準備通りでうまくいったかなと思います。
まず、すごく役に立ったのが、「スタウトエア」のボトル550ml。
これの良いところは、
- すごく軽い
- 耐熱100度で、お湯を入れても大丈夫!
- シンプルでおしゃれ
という点。
この次の南アルプス登山でも持っていきましたが、これにお水を入れて出発し飲んだら軽くなる、水場があれば補給できる。
また、燕山荘では宿泊者はお湯がもらえる(食堂前にポットが置いてあり、自由にいれられます)ので、夜はこれに入れて湯たんぽ代わりにもなるし、喉が乾いたらお湯を飲む…で、かなり体が暖まりました〜!
本当にとてもおすすめです。
次にライト。
夜に移動する際に使用するヘッドライトと、部屋で作業するときに使うLEDライトを用意しましたがどちらもとても便利でした。どちらもモンベルで購入。
↓LEDライト。手持ちで使うのも、立てることもできます
ヘッドライトは夜に小屋の外に出る時や、トイレに行く時など用。
私はコンパクトヘッドライトを買いました。
今回の用途では全く問題なかったのですが、今後早朝真っ暗でヘッドライト登山などをするのであれば、もう少し明るさ(ルーメン?)のあるものでもよかったかもしれません。
スキンケア系は、お風呂に入れないので
- 拭くだけメイク落とし
- 汗拭きシート
- 泡立たないシャンプー
- 化粧水・保湿クリーム
を用意しました。
意外と良かったのが手袋型の泡立たないシャンプー。
気休めかなと思いましたが、シャンプーするみたいに頭をワシャワシャしたら結構さっぱりしました!防災アイテムとしても良さそう。
あとは、なるべく荷物を減らしたいから就寝時の服は翌日の服と兼ねていましたが、リラックスウェア的なものはしっかり休息することは大事なのであってもよかったなあと。
唯一、防寒として毛糸タイツをもっていて、これが登山ウェアよりとてもリラックスできたので、着替えも面倒だったけど睡眠の質も変わったと思うので持っていって良かったです。
あとはゴミを捨てられないので、ゴミ袋や洗濯物を入れるビニール袋は多めに。
防寒着は多いかな?と思うくらい持っていきましたが、結果ぴったりくらいでした。標高2,700mは日が暮れて天候が崩れると真夏でも恐ろしく寒かった。
そしてやっぱり必須だったのは耳栓。
仮に個室だとしても普通のホテルのように防音ではないし、一般室では各所からいびきが聞こえてきます😂
最初はしてなかったのですが、耳栓をした後からぐっすり寝れました。
4時半ごろ起床。
2日目はずっと雨予報だったので、どうせ真っ白なんでしょ…と布団でだらだらしていたら、
ふと部屋の窓から見たら、なんと朝日が出そうじゃないですか!!
↓部屋の窓越しに撮った写真。まさかの気配
急いで起きて、外へ。
雨は止んでおり、じわじわ明るくなってきます。
諦めていたご来光が拝める??
出ましたーやった!雲海の上のご来光です!
この時すごくビックリしたのですが、太陽の真っ赤な光が雲から出てきた次の瞬間、
正面から風がブワーーーッ!!って吹いてきました。
太陽が出るその瞬間だけ雲も割れて、朝日がみれたような感じ。
しばらくみていると、太陽は重たい雲の中に入っていきました。
その日はそれ以降日が出ることはなかったです。
すごく不思議な日の出を体験できました。
その後、そのまま朝食に向かいます。
朝食は4時半〜また3回に分かれており、こちらは指定はなく、希望の時間に向かいます。
私は5時ごろ行ったらちょうど席が空いていたのですぐに入れました。
朝食の写真を撮り忘れてしまったのですが、夜と同様に肉と魚が両方あってかなりボリュームたっぷりだったと思います。
これから登山の力がもらえる美味しいお食事でした!
朝食後は荷物をまとめ、出発の準備。
外をみると、日の出の際は晴れていましたが今はもう、結構な濃霧と霧雨という感じ。
最初からレインウェアを着ることにしました。山で実際に着るのは初です。
ザックにもレインカバーをかけるのに、家で練習した時は中身が無い状態だったのでスムーズでしたが、今回はザックがパンパンなのでうまく付かない!四苦八苦してやっと装着。
7時前、燕山荘を出発。
この日は、どうしても表銀座の稜線を歩いてみたかったので、燕山荘→カエル岩あたりまで行って引き返す感じで予定していました。
しかし、稜線方面を見ると、ほんと真っ白…
こっちに行く人が全然いません。
無理せずを誓い行きました。
憧れ北アルプス稜線が…
↓昨日
↓今日
こんなでした〜😂
それでも、これまで稜線を歩いたことがなかったので、大きく高低差が変わらない山道をいくのは新鮮でした。
あと、学びとしては
稜線はとにかく風がヤバイ
木も岩もない晒された状態なので、雨風を遮るものがありません。
風が凄いから雨がちょっとでも、めっちゃ叩きつけられて痛いです。
マラソンで鍛えた修行の心でしばらく淡々と進みます。
時折現れる大きな岩場を通ります。
ただちょっと、視界が悪いため、どっちにすすめばいいんだろう?というのが何回か。
こういうガレガレした所は、割と足場がいける罠ルートがあったりして、行き止まり・滑落の危険がありそうなところに行ってしまいそうな時があったので、かなり慎重に進みました。
こうやってルートを外れて、遭難は起きるんだなっていう危険を把握できたのは今後のために良かったかもしれない。
もし滑落して気絶してたら、たぶん5m離れていたら人が通っても視界が悪くて気付きませんね。
しばらく進み岩場を通過していきましたが、カエル岩がどれなのかよくわからない…
益々強風が強まってきたので、30分ほど進んだ所で引き返しました。ここまでですれ違ったのは3組くらい。
帰り、燕岳といえばのお花、コマクサを発見し暴風の中カメラをパチリ。
なんてしていたら、
なんかちっちゃいフクフクした鳥が!
暴風雨のなかで、ウッキウキとお花からお花にぴょんぴょんしており私のことも全く気にしていない様子。
一瞬「雷鳥かっ!?」と思ったけどなんか違う…ひとまず動画を撮りました。
後日Twitterで、これはキジバトでは?と教えていただきました〜こんな標高にも鳩がいるとは🤣!
無事に稜線歩きを終えて燕山荘に戻ってきました。
燕山荘に戻ってきたのがちょうど8時ごろ。
一旦小屋で休憩しようかと思いましたが、結構びしょ濡れ。
一度室内に入ったら乾くまで待たないと厳しいなーというのがあり、水分など補給だけして、このまま一気に下山することにしました。
あと、
お昼のバスまでに登山口の中房温泉に絶対に入りたい!
という目標がありました。とにかくお風呂に入りたい!!!
下山開始。まだ森林限界は超えており木はありませんが、さっきまでの稜線と比べ
全然風がキツくない
ので、かなり楽に感じます。
ここからは、同じく下山の人と、早朝から登ってきた人とのすれ違いなど渋滞が結構ありました。
弱まってはきましたが基本的にはずっと雨。
下りはあまり休憩を入れませんでしたが、
上りでスイカを食べた合戦小屋だけ、かなり寒くなってきていたので豚汁を食べてしっかり補給。生き返った♪
あとはひたすら下りましたが、第二ベンチあたりでエネルギー不足になってしまい、サクっと補給食。
最後30分くらいでついに膝が笑い始める。自分の体力との勝負になってきた〜
あ〜後少しー!
無事下山しました!
一気にとはいえ、標高差1,400mあるので目標としては下山(燕山荘から登山口)ルートタイム2:50を2時間ちょっとくらいという目標でしたが、実際には休憩含めルートタイムぴったりくらい。やはりそんなに甘くないですね。
帰りのバスまでに、念願の中房温泉に入れました。染み渡りました〜〜!!
2022年登山の目標がアルプスデビューだったので、叶って頂上絶景が見れて本当に嬉しい&楽しかったです!
また、この標高差と距離をこなせたという事が登山の自信にちょっとなりました。
これまで登ってきた山でそれぞれ、
- 谷川岳→岩場登り
- 丹沢山→長い距離
- 那須岳(朝日岳)→高度感
と経験があったのがよかったです。
ただ正直、夜行バス&山小屋泊は辛かったー!もういやだな😂
温泉のある山小屋もあるようなので、泊まるならそういったところや、登山口の近くに前泊→日帰り登山スタイルがいいかな〜と最近は思っています。
燕岳から見た裏銀座稜線を縦走してみたいな。そして突き出る槍ヶ岳にやっぱりいつか登りたい。
北アルプス、かっこよかったです!